天才を活かすには

先日、もともと同じ会社だったが私が辞めてから音信が途絶えていた人と私の技術パートナーと3人で食事をする機会があった。

彼は前回書いたように絵に描いたような天才肌の人物なのだが、その個人能力は組織という形には全く合わない印象だった。

久しぶりにあった彼は少し大人になったようだった。

”元天才”の彼を筆頭に様々な天才がいたが、全員個人での成績は日本記録並みの売り上げを出していた記憶がある。

そんな大人にってしまった彼を見て、天才を集団の中で活かすにはどうしたらいいのかを考えさせられる時間だった。

とある取引先の社員になっていた彼はやはり組織の一員らしく、自分の意見を言うことはあるが、どうしても組織の上司の意見を周りが優先するため、彼のいっていることはあまり受け入れられない。

そんな印象だ。彼の本質は今も昔も変わらないようだ。

日本だけでなく人間みんなそうかもしれないが、

みんながかっこよさに憧れるのは芸能人や現在でいえばYouTuberやスポーツ選手なのだろう。

過去の伝統を見ても華やかな伝統しかない印象だ。

逆に人気のない地味な仕事をしている人はくすんだままだ。

同じように伝統を見ようとしてもわからない。

何かが華やかな伝統であると認定されるのに必要なのは客観的な史実ではなく、大衆の支持になっていることがよくわかる。

派手な仕事も地味な仕事も差はないはずだ。

天才を使う側も難しい。

天才は結果が出ているときはうんと甘やかされているが、ちょっと結果が出なくなると一瞬にして忘れられてしまう。

彼は客観的に見れば秀でているところがあるにも関わらず、組織の支持を受けることが苦手なタイプなのだろうと思う。

今、必要な管理者の資質は客観的に見て秀でているところを見つけ、それが組織の支持を受けてただ誇張されているだけではないかを冷静に見分ける能力が必要だ。

経験が浅ければこの組織の支持に惑わされてしまう。

なぜなら自らがいろんな人に認められたいがために、標的を見つけては卑下することが多いからだ。

私は天才を活かすのは管理者の資質の問題だろうと思う。

一般的に上司は部下の弱みに目がいってしまう傾向がある。

組織内の多様なメンバーがそれぞれの弱みを補い合う画一的なメンバー構成は現実的に不可能であることを理解してほしい。

それよりも組織の勝利と個人の幸せがリンクするようなレベルの高い結果を目指せる仕組みを見つけてほしい。

本当はそんなに難しくはないはずだ。

天才を見てそう思った。

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